紙器パッケージの商談成功率が格段にアップ

株式会社倉岡紙工   |   熊本県

紙器パッケージの商談成功率が格段にアップ
使用製品:
UV-LED プリンター LEC2-330
アプリケーション:
紙器パッケージ試作

世界トップクラスの「クリーン×スマート紙器工場」を持つ老舗紙器パッケージ製造会社の倉岡紙工様は、紙器パッケージの試作に時間とコストがかかりすぎるという問題点の解決と、商談成功率をアップさせるため、紙器パッケージ試作用にUV-LEDインクジェットプリンター「LEC2-330」を導入されました。導入による改善点と活用方法、新しい取り組みについて、倉岡和徳CEOにうかがいました。当社は1965年に初代社長が創業し、紙器パッケージ製造を主力として事業を拡大してきました。2016年の熊本地震で本社工場が半壊したことで、熊本県嘉島町に移転。2020年には世界トップクラスのクリーン紙器工場を本格稼働させました。新工場では医薬品や化粧品などクリーンルームが必要な商品の製造をはじめ、様々な種類の紙器パッケージの設計から製造、配送まで一貫しておこなえる体制を整えています。

紙器パッケージを作るには、まず顧客と打ち合わせをおこないます。その際、データや白無地のパッケージ、複合機で印刷した試作品を使っていました。しかしそれではお客様が完成形をイメージし難く、商談自体の印象も薄れてしまい、注文が他社に流れてしまったり、最終製作までにかなりの時間を要してしまう場合がありました。そのため、試作品を数パターン外注して商談に臨むこともよくあります。

株式会社倉岡紙工  代表取締役社長 CEO 倉岡 和徳 様

代表取締役社長 CEO 倉岡 和徳 様

コートボールに本印刷に近い色あいで出力が可能

LEC2-330で作製した紙器パッケージ。白インクを活用したデザインも多い。

LEC2-330で作製した紙器パッケージ。白インクを活用したデザインも多い。

試作品を外注すると、校正や裁断などを含め2週間ほど時間がかかります。さらに試作品を1つ作るだけでも費用が発生するため、試作品代を見てお客様が諦める場合もありました。当社としても、受注に繋がらない場合はロスが大きいために、積極的に試作品を外注することができませんでした。

2021年には社内にデザイン部門を設け、白無地のコートボール紙をカッティングプロッターでカットして試作品を作っていましたが、白無地だと印象が薄いため、本物に近い試作品を作りたいと考えるようになりました。そこで候補に挙がったのがUVプリンター導入です。様々なメーカーの中からローランド ディー.ジー.㈱のLEC2-330を選んだ理由は、紙器パッケージでよく使われる厚み1㎜のGフルート段ボールからコートボール紙に対応して直接印刷が可能なことと、本印刷(オフセット印刷)に近い色合いで出力できることが魅力と感じたからです。また、他メーカーの機種は大きすぎたり小さすぎたりとサイズ感が合いませんでした。当社にはLEC2-330が一番しっくりくるサイズでした。

外注と比較してコスト約1/20、スピード約1/10

事前にフルカラー印刷して試作品を作り、お客様に見せると非常に喜んでいただける。

事前にフルカラー印刷して試作品を作り、お客様に見せると非常に喜んでいただける。

LEC2-330導入後は、その場で実際に使用されるコートボール紙にフルカラーで印刷して試作品が作れるようになったので、お客様に仕上がりイメージを簡単に伝える事が出来るようになり、極端なケースでは商談中にデザインを修正し、その場で試作品を作って確認していただくことも可能になりました。

無地の試作品で提案するのと、フルカラーで印刷して提案するのとでは、お客様の反応が全く違います。事前にフルカラー印刷して試作品を作り、お客様に見せると非常に喜んでいただけます。商談の成約率もほぼ100%になりました。また、試作品の外注に比べてコストが約20分の1、スピードは約10分の1になり、とても役に立っています。LEC2-330は本印刷よりも画質が高いため、あえて高速モードでプリントすることで画質を下げて本印刷の品質に合わせています。これにより、さらに製作のスピードが向上し、インクコストも抑えられる、という結果になりました。

極小ロットの注文も受注可能に

販売前にパッケージの写真をSNSでPRするお客様も増えているため、極小ロットの対応はとても喜んでいただける。

販売前にパッケージの写真をSNSでPRするお客様も増えているため、極小ロットの対応はとても喜んでいただける。

LEC2-330を導入したことで、極小ロットの紙器パッケージも受注するようになりました。通常、小ロットで500個、大量ロットなら100万個という注文がほとんどですが、LEC2-330なら1枚から受注することができます。現在は食品メーカーのパッケージを作る仕事など、極小ロットの売れ行きが良く、継続的な注文もあります。最近は商品を販売する前にパッケージの写真をSNSでPRするお客様も増えているため、極小ロットの対応はとても喜んでいただけています。

LEC2-330の主な用途は試作品の製作ですが、ほとんど毎日稼働し、それだけで仕事が埋まっている状態です。紙器パッケージと一緒にラベルもプリントしてほしい、という声も多いため、将来的にはLEC2-330のカット機能を活かしたラベルプリントへの取り組みも考えています。以前は大手印刷会社や広告代理店からの下請け的な仕事がほとんどでしたが、近年では様々なメーカー様から直接注文をいただく機会も増えました。そうした仕事の中で、いかにLEC2-330が活用できるかを考えています。今後は化粧品パッケージには必須の光沢ニスや疑似エンボスをグロスインクで表現したり、小ロット紙器パッケージのECサイト展開などにも挑戦したいですね。

株式会社倉岡紙工様公式サイトhttps://kuraokashiko.co.jp/

UV-LEDプリンター 最新機種

TrueVIS LG-640/540/300 MG-640/300

各カテゴリーごとの事例をまとめて詳細にご紹介。無料でダウンロードできます。